日刊工業新聞の電子版(11月28日)によると、経済産業省・中小企業庁は事業再構築補助金の制度を見直すそうです。見直しの要点は3点(申請枠の集約、審査の厳格化、事前着手制度)の撤廃のようです。
1.申請枠の集約
6枠あった申請枠が、「成長分野進出枠」「サプライチェーン強靱化枠」「コロナ回復加速化枠」の3枠に集約されるそうです。
新型コロナウイルス対策としての役割から、より効果的に中小企業の事業再構築を促す形に改めるためのようです。
2.審査の厳格化
審査については、複数の事業者から似たようなプランが申請されるなどの課題も指摘されていたそうです。
そこで、採択審査で人工知能(AI)を活用し、同じ計画書の使い回しなどを防止するそうです。一定期間に特定トピックの申請が集中した場合、これを検知し、審査で何らかの対策がとれれるようです。
また、交付申請や実績報告の審査でもAIにより審査が標準化、高度化されるそうです。
3.事前着手制度の撤廃
これまで一部の申請枠では、事業の採択前、交付前に発注した経費を補助対象にできる事前着手制度が適用されていました。
今後、事前着手制度は廃止され、他の補助金と同様に、交付決定後でなければ発注できなくなりそうです。
以上、日刊工業新聞の記事を要約、一部補足しました。
この制度の見直しは、11月12日、行政改革推進会議の「秋の行政事業レビュー」における外部有識者からの問題点の指摘を受けてのものと思われます。
これだけ大掛かりな見直しを行うとなると、かなりの準備期間を要すると推察されます。
また、有識者からは、年度をまたいで補助金事業を実施できる基金ではなく、通常の予算措置に切り替えるべきであるとの指摘もあり、予算面の課題も残っています。
第12回公募の開始まで、しばらく時間がかかるかもしれません。